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崖の上のポニョ

崖の上のポニョ
2008年7月19日公開
監督 宮崎駿
脚本 宮崎駿
製作 鈴木敏夫
出演者 山口智子、長嶋一茂、天海祐希


 
評価:☆☆☆

近所のスーパーで今日は夕方から、
刺身の盛り合わせが500円で買えるセールを行う。
ただし、30パック限定である。

僕は偶然、前日に買い物をしたことで、
この素晴らしい情報を知ったのだが、
夕方の何時から売り始めるのかチェックするのを忘れてしまった。

そもそも夕方が何時から始まるのか、
夏と冬では夕方の始まる時間も違うんではないだろうか、
そんなことを考えながら午後6時にスーパーへ行くと、
たった一パックだけ残っていたのだ。
ギリギリセーフ。

パックに入った赤身の刺身は、
覗き込む僕を見て「あまのさん、大好き」と言った。
だから「僕も好きだよ」と言ってあげたのだけど、
僕は本当に食べちゃいたいくらい君がすきなのだ。

そんなわけで、ポニョである。

ジブリの作品は子供でもわかるように作られているが、
大人でも楽しめるようなクオリティの高さが、
「国民的映画」になった理由である。

ジブリの映画を見ながら子供がキャッキャッとはしゃいでいる姿を
両親は微笑ましく見ているのだけど、
自分も子供のときの気持ちに帰ってウキウキしたり、
またはメソメソしてみたりしたくなるのだ。
そして子供の時の純粋な気持ちに一時だけ帰ることができる。

ただ、このポニョでは、そこまで戻ることは、
大人にとっては難しかったのではないだろうか。
昔のジブリ映画を見て、感動したときの気持ちを
想いおこすのが限界である。
子供の頃まで帰ることはできない。

「あ、このキャラ、『魔女の宅急便』に出てただれだれに似てる」
「ラピュタの婆さん?」
みたいな感じで。

僕は映画を見ながら刺身をつまんでいたのだが、
この映画に足りないのは「わさび」だと思った。
「さび抜き」は、僕は好きじゃない。

 


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ちょんまげぷりん

ちょんまげぷりん
2010.7.31公開
監督 中村義洋
原作 荒木源『ふしぎの国の安兵衛』
脚本 中村義洋
出演者 錦戸亮、ともさかりえ




評価:☆☆☆☆

シングルマザーに捧げる映画である。

先週の日曜日にたくさん映画を借りてきて、
やっと1本見終わったのだけど、
あと5本も残っている。

映画は素晴らしいものだと思いたい反面、
もう満腹で映画は見たくないという気持ちも強くなってきた。
最近ではDVDを手に取るだけで、
手がプルプルと震え始める。
「また、地震だろうか」とDVDをそっと置き、
テレビのリモコンを取ると揺れは決まっておさまるのだ。
そしてまたDVDを手に取ると震え始める。
何度も繰り返した後、僕はやっと気づく。
「映画を信頼する気持ちが震源だ」と。

映画(ドラマ)というのは、
劇場で公開されたといっても、
素晴らしいとは限らないのだ。
たくさんの映画が、膨大な資金をつぎ込んで作られているが、
何年も心に残るような映画を作るのは難しい。
ドラマの神様は札束には見向きもしない。

『ちょんまげぷりん』なんてふざけた名前をつけて、
設定もよくある「ちょっと変わったタイムスリップもの」で、
金をもうけるために、よくもまあ、
こんな奇抜な設定を思いついたものだ、
と見はじめる前は思ったのだが、
映画が進行するにつけ、変わった。

とても面白いじゃないか!

奇抜な設定は「シングルマザー」の問題を表面化するために
用意されたもので、とてもうまく機能している。

仕事も子育ても中途半端な上、
両方がんばるものだからボロボロになっているともさかママ。
そんな時、居候のような男が転がり込んでくる。
この男は自称「侍」で男尊女卑がひどいものの、
礼儀正しく、子供をしっかりと叱りつけることができる男なのだ。

礼儀正しく、性格のまっすぐな男で、
しかも無職、帰るところがないときたら、
仕事のできるシングルマザーが家においてあげても
「まあ、いいか」と思ってしまうのも頷ける。
「侍」は穀潰しの自分へのふがいなさを穴埋めするため、
家事で恩返しを始める。
息子は古風な風貌と精神の「侍」を尊敬し、信頼し始める。

仕事のできるシングルマザーにとって一番欲しいのは、
「主夫」なのかもしれない。
お金を自分で稼げるなら男なんて本当は必要ないのだ。

でも子供は欲しいし、出世もしなくてはいけない。
全部うまくこなすことは本当に難しく、
お金をかけて家政婦さんを雇って、
自分は自由に仕事をし、子育てもできていると、
思い込んだとしても、
子育てが成功したかどうかは子供の気持ち次第である。
子供が親とのふれあいが不足していると感じれば、
どんなにお金をかけて環境を整えても無意味だ。
うまくいっていると思っている(思い込みたい)のは、
マザーだけなのである。

江戸時代の侍がこんなに礼儀正しいのかどうかは知らないが、
「作法」をしっかり身につけているというのは、
とても美しいものだと思った。
今の時代は「自由」が尊いものだと思っている人が多いと思うけど、
「人を作る」というのは所作から始まるのかもしれない。
ルールや作法を厳しく守らせること。

そして何より「心」を大切にすること、
これが大事なことだと思ったでござるよ。

 

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東京島

東京島
2010年8月28日公開
監督 篠崎誠
脚本 相沢友子
出演者 木村多江、窪塚洋介


評価:☆☆

日曜日にゲオに行ったら、
旧作のDVDレンタルが50円だった!

最近、映画を見るのが苦痛で、
特にハリウッドっぽい映画は数本見続けると、
毎日、ステーキを食べてるようでうんざりする。

この日も暗い気持ちでゲオに行ったんだけど、
レンタル50円という看板を見ただけで、
すっかりテンションが上がってしまって、
6本も借りてしまった…
たった300円だけど、
これを1週間以内に見ないといけないとなると、
家に帰ってから気が重くなった。

こんな暗い気分を癒してくれるのは、
エロしかない!と思って、
この映画をまず見た。

設定は完全にエロのはずなのに、
木村多江も熟女の魅力にあふれているのに、
なんで脱がないんだぁ!
って思ってしまう映画だった。

というか、無人島に男がウジャウジャいる中、
女は一人だけ、という設定で、
エロがここまで薄いと作品として成立していない。
一人くらいは脱がせろよ、と。

僕は「脱いだら一人前の女優」という考え方は、
絶対、間違っていると思うし、嫌いなのだが、
作品を成立させるためには女優さんが
脱がなきゃいけないことがあると思う。
伊丹十三の映画のようにエロをスパイスにして、
この映画は作られるべきだった。

だから性欲のドロドロした感じもあまり無くて、
極端な思考に傾いて、無理やり映画を終わらせたような印象だ。
後半は「早く終わってくれ」と祈りながら見ていた。

とってもがっかり。
 

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特攻野郎Aチーム THE MOVIE

特攻野郎Aチーム THE MOVIE
The A-Team
2010年8月20日公開(日本)
監督 ジョー・カーナハン
脚本 スキップ・ウッズ、ブライアン・ブルーム、ジョー・カーナハン
出演者 リーアム・ニーソン、シャールト・コプリー


評価:☆☆☆

映画は清涼飲料水か?

高校生の頃(10年以上前)、僕はまったく映画を見なかった。
小説はその頃、色々と読んでいたのだが、
映画は小説より面白いはずがないと考えていた。

理由はいたって簡単で、
たった二時間で深い作品を作れるはずがないと思ったし、
映画は「ハリウッド」か「ドラエモン」しか知らなかったからだ。

特に「ハリウッド」映画というものは、
文学のように深いテーマをえぐるようなものはないし、
車やらビルやらが爆発すれば、
とにかくハッピーなんだろうと考えていた。

好奇心だけを煽るのがハリウッド映画だ。

ある時、父親の気まぐれでハリウッド映画を一緒に見に行って、
何を見たのかはまったく覚えていないんだけど、
クラスに一人くらいはいた「映画オタク」に
映画を見たことを話したのだ。

この「映画オタク」はどこの高校にもいるような
オタクのような風貌をしていて、
黒髪のロンゲなんだけど、
おしゃれでロンゲにしているわけではなくて、
床屋に行くのが面倒なんだって
一目でわかるロンゲだ。

映画の話をしたら映画オタクは、
「あまの君、映画見るんだね」と神妙な顔で僕を見つめた。
「見るって程ではないんだけど、
映画ってやっぱりあまり面白くないね」
と僕が何気なく言ってしまったことで、
映画オタクに火をつけてしまったようだった。

映画オタクは「もっと面白い映画があるよ」と言って、
次の日、僕にビデオテープを貸してくれたのだ(DVDはまだない)。

その映画は『リバーランズスルーイット』という
ロバート・レッドフォード監督の作品だった。
ブラッド・ピットが出演している。

僕はこの映画を見て、すっかり映画に心酔してしまった。
映画は文学と同じくらい面白い!
ハリウッド映画だけが映画じゃないんだ!
と思った。

僕はすっかり興奮して、この映画オタクと仲良くなり、
面白い映画のリストを作ってもらって、
近所のツタヤで借りまくって見た。
全部が全部、面白いわけではなかったけど、
映画のことを知るにつけ、
映画オタクが作ったリストが西欧の映画祭で受賞した作品だと
知るようになった。

アカデミー賞くらいしか知らなかった僕は、
ヴェネチアやベルリン、カンヌという映画祭があることを知る。

日本映画はつまらないと、その頃、思っていたけど、
思春期の僕に北野武の映画はドンピシャで、
それ以来、武ファンになった。

そんなわけで、この映画である。
まさにハリウッド映画で、
僕が高校の頃に見た、いまはまったく記憶に残っていない映画は、
この作品ではなかったのだろうかと思った。

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洋画の邦題について

映画の邦題についてちょっと調べてみたくなった。
自分のお気に入りの映画をピックアップしてみると、

街の灯(City Lights)
監督:チャールズ・チャップリン

素晴らしきかな人生(It's a Wonderful Life)
監督:フランク・キャプラ

博士の異常な愛情
または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
(Dr. Strangelove or:
 How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb)
監督:スタンリー・キューブリック

過去のない男(The Man Without a Past)
監督:アキ・カウリスマキ

リバーランズスルーイット(A River Runs Through It)
監督:ロバート・レッドフォード

恋する惑星(重慶森林)
監督:ウォン・カーウァイ

ほとんどが原題に忠実だ。
『博士の異常な愛情』なんて忠実すぎる!

僕は昔から『恋する惑星』という邦題がお気に入りで、
これは作品にぴったり合っていると思う。
恋する惑星とはまさに「地球」のことだと思うが、
その地球上で起こる恋の「偶然」をテーマに描いたのが、
『恋する惑星』なのだ。
原題は中国語で『重慶森林』となっているが、
重慶は地名で「森林」はそのまま森林でいいんだと思う。
『東京砂漠』みたいな感じ。

これはこれでそのまま『重慶森林』として発表できたように思うけど、
たぶん日本で公開するにあたって、
あまりなじみのない中国の地名よりも
映画に合ったポップな題にしたほうが受けると考えたはずだ。
原題を無視した題だけど、作品の内容にはぴったり合っている。

最近、借りた映画に『変態島』という映画があって、
原題は「Vinyan」(タイ語で「魂、成仏できない霊、幽霊」wikiより)。
原題と邦題がぜんぜん違うし、邦題のつけ方に悪意を感じた。
こんな題名だとゲオで借りたいと思っても
カウンターに持っていくのがすごく恥ずかしいじゃないか!と。
できる限りレンタルされないような名前をつけたとしか思えない。

しかも内容は全然、変態ではない。
息子の死を受け入れられない母親が、子供が生きていると思い込み、
東南アジアの森の中へ子供を捜しに行くというお話。
「変態」というよりも「狂気」という言葉のほうが合っている。

そしてwikiを読んでいると、さらに面白い事実が…
『変態島』を作った監督やスタッフが、この映画の前に
『変態村』という作品を作ったらしい…

『変態村』は『Calvaire』(ラテン語、「ゴルゴタの丘」)が
原題らしいのだが、これまた変態とは関係のない作品のようだ。
このスタッフたちが作った作品は、日本で公開されるとき、
必ず「変態」という言葉が付けられてしまうようだ。
内容は全然「変態」ではないのに。

そして、wikiの『変態村』解説ページに邦題の命名者が!
叶井俊太郎という映画の配給会社にいた人で、
「性生活は派手で、17歳の時点で200人と関係し、現在までに5、600人
(本人は「200人から先は数えていない」とコメント)と関係している」
(wikiより引用)
という人らしい。へ、変態…

解説ページを読めばわかるのだが、
この叶井さんはB級C級の映画を好んで日本に輸入していたようだ。

でも、どうして「変態」と付けたのか。
「変態」という名前を付ければ、
エロを期待した男どもが見に来る、
映画が売れる、とでも思っていたのだろうか。
言語能力がかなり足りない人のように思う。

「変態」シリーズはどちらかというと芸術的(抽象的)な作品だが、
「変態」という題が付けられたせいで、
芸術に関心がある人がこの作品を見る機会を
多少なりとも奪ってしまったように思う。
そしてエロだけを期待して見た人ももちろん、
期待をしっかり裏切られるのだ。

映画の邦題ってこんな適当につけられて良いのだろうか?
疑問に思った。

 


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