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デイブレイカー

デイブレイカー
Daybreakers
2010.11.27公開(日本)
監督 マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ
脚本 マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ
出演者 イーサン・ホーク、ウィレム・デフォー、サム・ニール


評価:☆☆☆

空想は空想でしかないということ。

僕にとってこの映画の印象はこれで終わってしまう。

今いる人類の95%がバンパイアになったとして、
バンパイアは人類の血を吸わなくては生きていけないけど
人類が少なくなったせいで食糧不足になった、という設定は、
とても面白いのだけど、
いまの「世界の現実」にどう投影すればいいのだろうか。

映画でSFやファンタジーを作るときは、
必ず現実の投影や比喩でなければならない。

「もしコンピュータに感情をプログラムできるようになったとして、
コンピュータは感情があるから人間と言えるのだろうか?」
といったテーマで作品を作ったとしても、
僕は一ミリも共感できない。
それは、僕の目の前の現実と遠く離れすぎていて、
「実感」が伴わないからだ。

この映画は面白おかしく作っているのだけれど、
根底にある「哲学」がない。
「こういう設定を思いついて、面白そうだから映画にしよう」
って程度の話なのだ。

こういう「空想」のお話を作るときは、
必ずバンパイアが人類の95%を占めてしまった理由を
書かなくてはいけない。
バンパイアは何を投影しているのか、
説明しなくてはいけない。

この作品の最大の欠点は「設定ありき」ということだ。

『マトリックス』のようなクソにもミソにもならないような映画。

でもイーサン・ホークはかっこいい!
と思った。

 

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ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ

ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ
2010年3月6日公開(日本)
監督 松山博昭
脚本 黒岩勉、岡田道尚
出演者 戸田恵梨香、松田翔太


 
評価;☆☆☆☆

本当によくできた映画だ。

テレビドラマから映画になったものなんて、
ろくでもないものが多いと思っていたけど、
この作品はとても良いと思った。

「正直者は本当に救われるのか?」

道徳を考える上でとても大切な問題である。
もし「正直者は損をする」だけなら、
地球上の誰も正直者なんかになろうとしない。

今の資本主義が蔓延する世の中で、
「損」をしようなんて考える人は誰もいないのだ。
口八丁で「益」を取る人間が普通だと、
薄っすらみんな思っているはずだ。
「あいつ、うまくやりやがって」と考えるとき
「うまく」は「狡猾」という意味で使われることが多い。

そんな資本主義に毒された連中が薄っすら思っている事を、
否定しようと試みた作品がこれだ。

女主人公はだまされることを恐れないほど、
馬鹿正直なのだが、
「正直」であることは、「すぐ騙される」という理由で
他人から馬鹿にされることが多い。
見下されることが多いのだけど、反面、信用はされるのだ。

人はなかなか自分の本心を見せないものだが、
馬鹿正直は本心がスケスケで、
スケスケで裏がないことがわかるから人から信用される。

一方、頭の回転が速くて、猜疑心の強い者は、
心の中がよくわからない(見えない、見せない)から、
人から信用されるのは難しい。
これは男主人公に当てはまる。

どちらか一方ではこのゲームに勝つことはできない。

男主人公は人から信用してもらえない、
という点で、いつも孤独である。
しかし、女主人公のように誰でも信じてしまう者だけは、
この孤独者を信じることができるのだ。
信用してもらえることで、
孤独者は相手を信用する。
そして孤独から解放される。

正直なもの同士が惹かれあうなら、
ピュアな映画になっていたのだろうが、
正反対の二人を主人公にすることでこの映画は、
「正直は損だけではない」ということを
訴えたかったのではないだろうか。。
また他人を信頼することの大切さを訴えることもできたのだと思う。

それにしても、よくできた脚本で、
映画を見ている観客がストーリーの途中で疑問に思いそうなことを、
しっかりと答えていっている。
それも自然な流れの中で。
こんなに論理的な脚本を書ける人が日本にもいるんだね。

馬鹿正直と頭のいい人間が出会うということは、
現実世界ではほとんどないし、
「正直さ」も「ずる賢さ」もここまで極めた人はいない。
中途半端な「正直さ」と「ずる賢さ」でみんな生きている。

蛇足だけど、
松田優作って偉大だなとあらためて思った。
松田龍平と翔太という独特の空気感を持った俳優を生んだのだから。
もちろん、生んだのは奥さんだけどね。

 


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処刑教室

処刑教室
ASSASSINATION OF A HIGH SCHOOL PRESIDENT
2011.4.2公開(日本)
監督 ブレット・サイモン  
脚本
出演 リース・トンプソン、ミーシャ・バートン、ブルース・ウィリス


評価:☆☆

英語の題の訳を知りたくてネット検索してみたけど、
「校長先生の暗殺」と書かれたサイトがあった。
でも「生徒会長の暗殺」ではないのだろうかと思っている。
英語はまったくわからないから、
英語がわかる人は教えて欲しい。
いくら校長がブルースウィルスだからといって、
映画の内容は校長を暗殺しようという内容ではない。

この作品は推理でもなく青春でもない。
どっちつかずになってしまったところが、
この映画のつまらない原因なのだ。
兄妹がデキているということは、
すぐに誰でも推測できてしまう。(あ、ネタバレだ)

色々なサイトの感想を見ていると、
邦題にセンスがないというのが目立ったが、
過去にはやった映画と同じ題をつけるのはどうかと
僕も思った。
うそ臭い題で人を惹きつけて
レンタルさせようという魂胆は醜いし、
映画自体の信用を失うぞ!
ゲオでレンタル100円だとしても、
金を払った上に僕は自分の2時間も犠牲にしているのだ。
金を儲けるために題をつけるのではなく
作品に忠実であるべきだ。

だから、僕がこの映画に邦題をつける。

『ミーシャのおっぱいとウィルスのはげ頭』

作品に忠実であり、
きっとこの題を見て借りた人は、
期待を裏切られないだろう。

 


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バーレスク

バーレスク
Burlesque
2010年12月18日公開(日本)
監督 スティーヴ・アンティン
脚本 スティーヴ・アンティン
出演者 クリスティーナ・アギレラ、シェール


評価:☆☆☆

なんだろうなぁ…

きっと悪い作品ではないはずなんだけど、
予想通りなんだよなぁ…
食べる前から「こういう味がしそうだな」って
思いながら食べた料理が、
まさに「そういう味」だったわけで、
期待を裏切らないんだけど、
裏切られないことがとても残念だ。

こういう系統のサクセスストーリーって
本当にたくさん作られていて、
『リトルヴォイス』とか『スウィングガールズ』とか、
映画にしやすい題材なのはわかるんだけど、
なんか面白くないんだよね。

うん。面白いことは面白いけど、
こういう系統の話を捻りも入れず、
見たこと無いような価値観も投入せずに作られても、
「ああ、おいしかった」としか言えない。

金太郎飴を何個も目の前で切ってもらって、
「二番目に切ったのが一番おいしい!」っていうのは、
無いでしょ?
みんな同じ味がするわけで。

主人公の歌声が好きな人は何度も見ちゃうんだろうけど、
僕はこのしゃがれた声があまり好きではなくて、
ただの品のない歌声に聞こえてしまう。

悪い映画ではないんだけどなぁ…
なんなんだろうなぁ…

僕は今きっと、満腹なんだ!って、
そう、思うことにする。

うん、きっとそうだ。
 


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タンポポ

タンポポ
1985年11月23日公開
監督 伊丹十三
脚本 伊丹十三
出演者 山崎努、宮本信子


評価:☆☆☆☆☆(映画百選)

今回は古い映画。

この映画は公開された当時、はやらなかったそうだ。
しかし、映画ファンの間で話題になり、
欧米ではヒットしたとのこと。

なんで日本の素晴らしい映画を外国人が発見するのか。
日本人には素晴らしい映画を見分ける能力がないのだろうか、
とガッカリする。
そう、きっと無いのだ。
どちらかというと流行に左右されるだけで、
自分で良し悪しを判断できない国民性。
周りが良いと言ったら自分も良いと思う奴ばかりなんだろう、
って誰かが言ってた。
僕はそんな風に思ってないけどね。

ニホンジン、スキデス。

近所にゲオが二軒あるけど、
この映画はレンタル中であることが多い。
ラーメンブームというのがこの頃あったのかどうか知らないけど、
ラーメンを主題にして映画を作るというのは、
初めてだったのではないだろうか。

伊丹十三という人はもう亡くなってしまったけど、
僕はこの監督が作ったような作品を作れる人は、
今後、絶対、現れないと思う。
唯一無二の人だ。
細かいネタを映画の中にたくさん仕込んでいて、
その一つ一つのネタは、厳選され、洗練されている。
高級なフランス料理のフルコースを食べているようで、
ウィットとエロスで味付けされているのだ。
とても品が良いけど、グロテスク。

この映画の始めのほうに「ラーメンの正しい食べ方」を
ラーメンのプロが講釈するシーンがあるんだけど、
ここは今見ると、若干、古いというか、
感覚が違うような気がする。けど、
公開された当時はラーメンにこだわる人がいるというのは、
斬新だったんじゃないだろうか。
今だとラーメン屋巡りをしている人なんてざらにいるけど、
この当時は、どうだったんだろう。

この映画はテレビで何度も放映されたし、
自分で何度か借りて見たこともあるんだけど、
しばらく経つとまた見たくなる。

名店のラーメンのような味わいのある作品。

きっと、僕はまた食べたくなる。
 

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