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ちょんまげぷりん

ちょんまげぷりん
2010.7.31公開
監督 中村義洋
原作 荒木源『ふしぎの国の安兵衛』
脚本 中村義洋
出演者 錦戸亮、ともさかりえ




評価:☆☆☆☆

シングルマザーに捧げる映画である。

先週の日曜日にたくさん映画を借りてきて、
やっと1本見終わったのだけど、
あと5本も残っている。

映画は素晴らしいものだと思いたい反面、
もう満腹で映画は見たくないという気持ちも強くなってきた。
最近ではDVDを手に取るだけで、
手がプルプルと震え始める。
「また、地震だろうか」とDVDをそっと置き、
テレビのリモコンを取ると揺れは決まっておさまるのだ。
そしてまたDVDを手に取ると震え始める。
何度も繰り返した後、僕はやっと気づく。
「映画を信頼する気持ちが震源だ」と。

映画(ドラマ)というのは、
劇場で公開されたといっても、
素晴らしいとは限らないのだ。
たくさんの映画が、膨大な資金をつぎ込んで作られているが、
何年も心に残るような映画を作るのは難しい。
ドラマの神様は札束には見向きもしない。

『ちょんまげぷりん』なんてふざけた名前をつけて、
設定もよくある「ちょっと変わったタイムスリップもの」で、
金をもうけるために、よくもまあ、
こんな奇抜な設定を思いついたものだ、
と見はじめる前は思ったのだが、
映画が進行するにつけ、変わった。

とても面白いじゃないか!

奇抜な設定は「シングルマザー」の問題を表面化するために
用意されたもので、とてもうまく機能している。

仕事も子育ても中途半端な上、
両方がんばるものだからボロボロになっているともさかママ。
そんな時、居候のような男が転がり込んでくる。
この男は自称「侍」で男尊女卑がひどいものの、
礼儀正しく、子供をしっかりと叱りつけることができる男なのだ。

礼儀正しく、性格のまっすぐな男で、
しかも無職、帰るところがないときたら、
仕事のできるシングルマザーが家においてあげても
「まあ、いいか」と思ってしまうのも頷ける。
「侍」は穀潰しの自分へのふがいなさを穴埋めするため、
家事で恩返しを始める。
息子は古風な風貌と精神の「侍」を尊敬し、信頼し始める。

仕事のできるシングルマザーにとって一番欲しいのは、
「主夫」なのかもしれない。
お金を自分で稼げるなら男なんて本当は必要ないのだ。

でも子供は欲しいし、出世もしなくてはいけない。
全部うまくこなすことは本当に難しく、
お金をかけて家政婦さんを雇って、
自分は自由に仕事をし、子育てもできていると、
思い込んだとしても、
子育てが成功したかどうかは子供の気持ち次第である。
子供が親とのふれあいが不足していると感じれば、
どんなにお金をかけて環境を整えても無意味だ。
うまくいっていると思っている(思い込みたい)のは、
マザーだけなのである。

江戸時代の侍がこんなに礼儀正しいのかどうかは知らないが、
「作法」をしっかり身につけているというのは、
とても美しいものだと思った。
今の時代は「自由」が尊いものだと思っている人が多いと思うけど、
「人を作る」というのは所作から始まるのかもしれない。
ルールや作法を厳しく守らせること。

そして何より「心」を大切にすること、
これが大事なことだと思ったでござるよ。

 

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