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【雑感】都会と田舎

東京からサヨナラする決意をしたのはもうかなり前のことだ。

母から電話で「地震も多いし、(実家から)遠いから帰ってきなさい」と
言われたのが実家へ帰る決断をしたひとつの要因だ。

でも、母から言われたからといって「はい、ママ」というほど、
僕はマザコンでもなければ、トンガリでもない。(トンガリ=キテレツ大百科ね)

僕の中で「田舎へ帰りたい」という想念が無意識の中でプカプカと浮かんでいて、
母が僕のプカプカ浮かんだ風船を射止めたのだ。

さすが母である。


でも、田舎は好きじゃない。

田舎の悪いところは、なにより人が詰まらないということだ。
固定観念と既成概念に縛られ、
社会的立場や職場の上下関係で他人の意見を正しいかどうか判断する。
そんな印象しかない。

下っ端がどんなに正論を述べたとしても「下っ端」という理由だけで却下される。
東京では、立場に関係なく相手の意見を分析し、賛同するか反対するか、
個人の意思と思考で決断する。

もちろん、これは会社や学校など、どういう気風の集団に所属しているかにもよるが、
都会では固定観念に縛られないという印象は強い。

いろいろな考えを持った人がおのおの好き勝手な自分の意見を主張し、
賛同や批判、無関心で都会の空気は今日も澄んでいるのだ。

ごちゃまぜの価値観にさらされることで、人はいろいろな価値観から自由になれる。
そして自分の大切な価値観に気づき、守ろうとすることもできる。

要するに個人主義ということだろうか?(違うかな・・・)


田舎で誇れるものは自然だ。

都会で昆虫といえばゴキブリであり、動物といえばネズミくらいなもので、
ペットショップでは海外からたくせんの珍しい生物が輸入されているが、
所詮はいきものというより玩具に過ぎない。

値段の付けられたおもちゃだ。


田舎では蜂や蛇が自分の縄張りを主張し、
人間様がうっかりテリトリーに踏み込もうものなら、
必死になって抵抗してくる。

「お前の居場所はここではない」と退去するよう脅してくるのだ。

まったくもって生意気なのだが田舎人はそれで、
「じゃあ、仕方ないね」と言って帰ってしまう。

都会なら蜂と蛇に対する対策本部が設置され、
蜂と蛇を撲滅しようという意見で一致するはずなのだが、
固定観念に縛られたのんきな田舎者は「悪かったね」と言って、
下等な生き物に道を譲ってしまうのだ。

それが、とてもいいと思う。


都会ではすべてが人工物でできている。
アスファルトで固められた道路やコンクリートでできた建物。
人間の脳みそでさえ、誰かの意見や自分の主張でできている。

田舎では自然への畏怖がまだ息づいているので、
人工的なものに対する信頼は都会ほどないし、
脳みそも人工的なものに対しては完全ではないという見方で、
どこか曖昧さや気まぐれさがあるように思うのだ。


僕は19歳で離れた田舎に戻り、
田舎がどんなところだったか改めて実感したいと思う。

田舎で暮らして、都会にあこがれた自分と
都会で暮らして、田舎に帰りたいと思った自分。

この二人の間にどんな考え方の違いがあるのか。

田舎に帰ることで僕は職を失うわけだが、
それよりもなにか得ることがあるような予感がして、
少しだけドキドキしている。

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