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かいじゅうたちのいるところ

かいじゅうたちのいるところ
Where the Wild Things Are
2010年1月15日公開(日本)
監督 スパイク・ジョーンズ
脚本 デイヴ・エガーズ、スパイク・ジョーンズ
出演者 キャサリン・キーナー、マックス・レコーズ




評価:☆☆

もう見ていられない。

僕が幼稚園児のときに好きだった絵本は、
『三匹のやぎのがらがらどん』と
この『かいじゅうたちのいるところ』だった。

この映画が公開されたとき、
僕はすごく見てみたい衝動にかられたのだけど、
見に行かなかった。
レンタルが始まってからも見なかった。

それは「この絵本を映画にするのは無理だ」と思ったからだ。

原作の絵本を映画にするには、あまりにも絵本が薄すぎる。

薄い絵本を二時間の映画にするためには、
たくさんの余分なものを付け足さなくてはいけない。

思ったとおり、この映画はその付け足し方を失敗した。
始まりの10分で終了してしまった。

絵本というのはとても薄くてわかりやすく書いてあるのだけれど、
読んでいる人たちが想像する余地をたくさん作っていて、
それそれが感情移入しやすいようになっている。

この映画では、「想像する余地」を制作者が埋めてしまったのだ。

それから主役のマックスもかいじゅうたちも
もっと凶暴でないといけないはずなのに、
普通の人間みたいに描かれている。

子供は天使であり悪魔である。
子供の悪魔の部分を象徴したのが「かいじゅう」であって
理性など一ミリも通じるような存在であってはならない。

しかし、この映画の中で「かいじゅう」たちは、理性的に悩んでいる。
そこら辺にいるおっさんやおばさんみたいに。

かいじゅうは凶暴であり、わがままなわけで、その中でも、
一番、凶暴でわがままな子供のマックスは王様になる資格があった。
そして、「散々、やりたい放題、暴れまわったけど、
やっぱりママが恋しくなって現実に帰った」というお話のはずなのに・・・
僕にとってはね。

なにより残念だったのは、
絵本にはあった、僕が見たかった二つのシーンが描かれていないことだ。

ひとつは、マックスの部屋の中に木が生えてきて、
森になっていくところ。
ママに怒られて、部屋で不貞腐れていると、
木が生えてきて、そこからかいじゅうのいるところへとつながっていく。

ハリウッド映画のはずなのにCGを駆使して
あんなに面白いシーンを描写しないで、
何をやっているんだ!と腹がたった。
そこらへんはお得意なはずなのに。

ふたつ目は、マックスとかいじゅう達が別れるとき、
かいじゅうは誰一人として、
「行かないで!食べちゃいたいくらい君が好きなんだ!」と
言わなかったことだ。

うろ覚えなんだけど、絵本の中にはそういうシーンがあったと思う。

もう映画の半分くらいを見たところで「見たくない衝動」に駆られて、
僕自身がかいじゅうになりそうだった。

ん?
そういえば、さっきから、
僕の一人暮らしの部屋に木が生えはじめている。




 

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