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悪人

悪人
2010年9月11日公開
監督 李相日
脚本 吉田修一、李相日
出演者 妻夫木聡、深津絵里




【鑑賞前】期待:☆☆☆☆☆MAX!

やっと100円レンタル始まった!

というわけで、早速、借りてきましたぞ!

『告白』も100円だったけど、
全部借りられてたわ~。

残念。

というわけで、期待値MAX!


【鑑賞後】評価:☆☆☆

金正日が死んだと報道されてからしばらく経った。

テレビでは北朝鮮に関するニュースが毎日流れている。

金日成が死んだときと同じように、
泣き喚く北朝鮮の人々の様子を「異様な光景」として
ワイドショーは面白おかしく伝えている。


僕は毎月28日が家賃を払う日で、
家賃は一階に住む大家さんに直接、手渡しなのだが、
大家さんはそのとき必ずコーヒーをご馳走してくれて、
インスタントなのにこれがまたすこぶる旨い!

そんな大家さん(♀)も今年で80歳をとうに過ぎているわけだが、
家賃を払いに行って一緒にコーヒーを飲んでいたとき、
テレビでちょうど北朝鮮のニュースが流れていた。

金正日が死んで、泣き叫ぶたくさんの北朝鮮の人たちを見ながら、
「ほら、みんな涙を流してないでしょ?だから嘘泣きよ」
と大家さんはボソリと言った。
たしかに顔は泣いているけど、涙は出てなかった。

よく見てるな、と思っていたら、
「戦争中の日本も今の北朝鮮と大して変わらなかったのよ」
とまたつぶやいた。

今の日本人が北朝鮮を「うそ臭い国」として、
テレビの前で嘲笑しながら、「嘘泣き」を見ているわけだが、
昔の日本と今の北朝鮮はあまり変わらなかったのだ。
つまり、「言論統制」と「国への強制的な服従」は、
日本でも行われていた時代があった。

今の僕たちはそんなことも忘れて、
北朝鮮を嘲笑したり、北朝鮮の国民に同情したりしている。
「変な国に生まれてかわいそうだな」なんて。


『悪人』という映画では、「悪人」と言えるほど、
極悪な人間は出てこないのだが、
「軽薄」な人間が二人出てくる。

殺された少女と金持ちの少年だ。
この二人に共感する人はあまりいないだろう。
どちらかというと自業自得だなって感じだ。

一方、加害者の青年は人を殺したはずなのに、
性格が純朴なせいで感情移入したくなる。
そんな青年を好きになる30代の純粋な女も魅力的だ。
二人は出会うべくして出会ったのだが、
青年が罪を犯した後だったってことが悲劇としか言いようがない。

最後は女を無実にするために青年はある行動に出るのだが、
女は青年の行動で、「悪人だ」と思っただろうか?

「あの人は悪人なんですよね」とタクシーの中でつぶやきながらも
青年と一緒に灯台の上から見つめた朝日はきっと美しかったに違いない。

世間は「よく知らない」ということを武器に、
犯罪を犯した他人を「悪人」だの「ペテン師」だのとレッテルを貼って、
面白おかしく話しているわけだけど、
本当に当事者と関係したことのある人は、
そう簡単に白黒つけられるものではない。

いくらテレビで白黒はっきり放映されていたからといって、
テレビを信じる時代は終わったのだ。
テレビはドラマとお笑いだけやっていればいい(ニュースはいらない)。


深津絵里が30代の純粋な女性を魅力的に演じている。

でも、映画の出だしが長すぎたことと、
映像が「雑」ということで☆がひとつ減ってしまった・・・
(特に灯台のシーン。背景をもっと選ぼうよ)

なんで丁寧に撮らなかったの!
と、感じざるを得ない作品。



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