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アマルフィ 女神の報酬

アマルフィ 女神の報酬
Amalfi
2009年7月18日公開
監督 西谷弘
脚本 なし
出演者 織田裕二、天海祐希、戸田恵梨香、佐藤浩市


【鑑賞前】期待:☆

そういえば、イタリアで撮影されたと公開前に
話題になっていたような気がするけど、
公開後はまったく話題になっていなかったような・・・

脚本家も「なし」ってなんだよ?

期待しちゃいけない臭いがプンプンするね。

イタリアでテロの予告があって外交官の織田裕二が、
日本人を守るためにイタリアへ行き、
新米外交員の戸田恵梨香とともに行動する。
なんてことがDVDのジャケットに書いてあったけど、

ずばり、犯人は戸田恵梨香だ!

きっとジャケットの表紙に映った4人の中に黒幕はいるでしょ。
一番、怪しくなさそうなのが犯人だから、
戸田さんに決定です。

右も左もわからず、オロオロしている新人に見えて、
実は犯人でした、ってオチ。

配役見ればだいたい犯人はわかるよね。

乞うご期待。

【鑑賞後】評価:☆☆☆

この映画の脚本は小説家と監督で書かれたらしいのだが、
小説家は「小説家仲間にこれが自分の脚本だとは思われたくない」と
言って脚本を降りたとのことだった(Wikiより)。
監督も「自分ひとりで書いたわけではない」という理由で、
クレジットに名前が載ることを拒否し、
結局「脚本家 なし」ということになったようだ。

この小説家はこの脚本のどこが気に入らなかったのだろうか?
やっぱり犯人たちが綿密に練ったはずの犯行計画が
偶然に頼りすぎていることに気づいてしまったのか。

もしトリックに矛盾があって小説家が降りたとしたら、
僕はこの小説家は映画のことはよくわかってないなって思う。
映画において細かいトリックなどどうでもいいことなのだ。
鑑賞し終わった後にスッキリしていれば問題ない。

しかし推理モノを中心に描く小説家は、
トリックに矛盾がないかということにこだわる。
推理小説は伝統として「どういうトリックを仕込んだか?」ということが
小説家の価値を上下するようなところがあるんじゃないだろうか。
人が思いつかないようなトリックを考えると賞賛される。

しかし映画ではそんなことどうでもいいのだ。

あまりにも巧妙なトリックを仕掛けても、
映画は音楽と同じで時間芸術なので、
小説みたいに読み終わったページに戻ったりすることができない。
トリックが本当に整合性があるのか、すぐに確認することができないのだ。

では、映画では何が大切なのだろうか?
ずばりキャラクターだ。

映画はキャラクターとキャラクターの対立でしかない。
違う考えを持った登場人物がぶつかり合うのが映画(ドラマ)なのだ。

この映画がいまひとつ僕にとって面白くならなかったのは、
主人公黒田のキャラクター設定にある。
映画の始めのほうで「仕事はできるけど、人としては最低」という
黒田のキャラ設定が提示されるのだが、
見ている人が「人として最低」と感じるシーンがあまりにもなくて、
「仕事はできるし、人に同情して、感情的に動くところもある」人物としか
見えないのだ。

おそらく制作側としては、
「黒田ってなんか冷たい人物だな」と思わせようとしたと思うのだが、
実際に映画での黒田の行動は、冷たさを感じさせない。
子供を誘拐された奥さんに早い段階から同情しているのがとても残念だ。

クライマックスくらいで、
それまで「冷たい」と思っていた黒田の優しい一面が見えたりすると、
とてもドラマチックでもっと良い作品になったのに、と思った。

まあ、「トリックは関係ない」と書いてしまったが、
映画の神様、黒澤明は映画を作るとき、
矛盾がないよう現場の地図を作ってシミュレーションしてみたり、
たくさんの人の意見を聞いたということだから、
トリックがまったく重要ではないとは思わない。
映画を見た人があとから矛盾に気づいてがっかりしないようにすべきだ。

でもこの映画がそこまで詰まらない作品にならなかったのは、
「トリックはあまり重要ではない」ということを証明している。

うむ。

ちなみに犯人の予想はズバリ!はずれた。

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